サラリーマンは理想象の夢を見るか?
今回も本ビューいくよー。
『夢をかなえるゾウ』水野 敬也 著
「ウケる日記」の水野敬也さんの170万部のベストセラー本。
最初から最後まで、小気味の良いコメディで展開していて、
本をそんなに読んだことない人でもめっちゃ読みやすいよ。
■ ガネーシャ式成功トレーニングで「夢」を目指す
ある日、主人公の「僕」(登場人物の方は「」表記)がいつもの様に朝、目を覚ますとそこには、
長い鼻に二本の白く長い牙(片方はなぜか途中で折れている)が生えている、象の様なというかどうみても象にしか見えない、奇怪な化け物がすぐそばに座っていた。鼻をユラユラ揺らして......。
ゾウは「ガネーシャ」と名乗り、なんでも「僕」の夢を叶える、ありがたい指導をするために現れたんだとか。
「僕」は『1日ずつ出される課題を必ずこなす』ことを条件に契約を結びます。
そして「ガネーシャ」から1日に1つだされる課題。それは......
靴を磨く
コンビニで募金する
食事を腹八分におさえる
トイレを毎日掃除する
という、どれもが一見意味のない行動の様に見えるモノ。
しかし、それらは成功に必要な大切な習慣である。とガネーシャは力説します。
例えば靴磨きでは、メジャーリーガーのイチローの例を取り出して、
「神聖な商売道具を粗末に扱うなんて考えられない」という信念をもっていたイチロー。彼は小学生の頃から、グラブを磨いて試合に臨んでいた。
という話をします。
この他にも、松下幸之助、本田宗一郎、スティーブジョブズから、シェイクスピア、エジソンに至るまで、
史上の偉人達の例と共に、その行動の意味・必要な考え方がガネーシャを通して余すことなく語られ、「僕」の課題は進んでいきます。
■ 「夢」との本当の向き合い方とは
さて、本書は「読者参加型啓発フィクションノベル」です。(今、命名)
1日(1章)に1つ出される課題を自分でもやりながら、本を読んでいくスタイルなのです。
これがまぁなかなかに面白く、「次(明日)の課題はなんだろう~♪ウフフッ」なんていう、割とゲーム感覚に近い様子で読み進めていく事ができます。
しかし、ある時こんな印象的なシーンに遭遇します。
ふとしたことが切っ掛けで、ガネーシャが言っていた事はほとんど全て「僕」の家の" 本棚 "の本に書いてあるということを告げられます。
「ワシが教えてきたこと、実は、自分の本棚に入ってる本に書いてあることなんや。」
マ、マジで―!?
ここまで課題を"こなして"きた「僕」は衝撃を受けます。
しかし、「ガネーシャ」はこのままでは「僕」は変わらないだろうと言います。
っというのも、「ガネーシャ」の課題に対して「僕」は未来に期待をしている。しかしそれは一時的な興奮からくる高揚感、その感情に流されているだけでしかない。
現に「僕」は過去に何度も今の様な興奮状態になったが、寝て起きた次の日は、いつもと変わらぬ毎日を送っていた事を思い出します。
果たしてそれでいいのか?
"期待"では人は変わらない。人から与えられ"こなして"いるだけでは「夢」は叶わない。
ではどうするか?
「もし自分が変われるとしたら、行動して、経験した時や。そん時だけやで」
「ガネーシャ」は答えます。
そのためにはどうしたらいいのか。実はもうそんなに長くはここにいられないという「ガネーシャ」
そんな彼(?)から最後の課題が出されます。
■ 普段本を読まない人にも
全体的に文章もやわらかく、基本的には会話中心の文なんでとても読みやすい印象。
内容も、途中で釈迦がでてきたり、ガネーシャが「僕」の会社に勝手に通勤したり、
普通にコメディノベルとしても十分楽しめます。
僕がこの本を初めて読んだのは、もう5年以上も前の事です。
その時と今を比較して、体重が10kg減ってる。本を読むスピードが当初より10倍ぐらい早い。やりたかった分野の仕事が出来てる。
っと思い返せばこの本の考え方など、割と恩恵を受けてました。
この本に書いてある事で、食事を腹八分に抑えるとか、コンビニでおつりを募金するとか、いまもやってたりします。
"啓発する"というよりも"楽しむ"という感じでも、全然良いと思える書籍です。
ホンジャネー。
[12/1000]